「中、調べてやるよ。」
犬夜叉は更にもう片方の指を強引に二本捩じ込む。
「ッ!!・・・ァ・・・ッ」
鋭い痛みに殺生丸の身体がビクと揺れる。
相手が明らかに苦痛を感じているのを知りながら、それでも犬夜叉は平然と次の作業に掛かる。
鉤爪のように指先を曲げ、四本の指でそこを力任せに拡げた。
「アァッ!!」
無理に拡げられたそこは裂け、血が伝う。
「・・・悪ィな・・・」
「・・・ッ・・・」
悪いなんて微塵も思っていない口調。
犬夜叉は力を弛めない。
殺生丸がどれほど息を詰めて耐えていようと関係ない。
内の怒りは増すばかりだ。
それを見てしまえば尚更。
内側からとろりと流れ出た透明の液体。
香油だ。
拡げられていることで染み出すようにそこを濡らしていく。
「なんだ、コレ・・・妙な液体まで使って・・・随分愉しんでたみてえだな。」
「・・・違う・・・ッ・・・もう止め・・・」
「止めねーよ。・・・お前の否定が本物に変わるのは俺の気が済んだときだ。お前はそれまで精々耐えてりゃいいんだよ!」
犬夜叉は指を抜くと、自身の袴を荒っぽくずり下ろす。
ぬらついて光る蕾に興奮を煽られて既に硬く熱を持った男根が露わになる。
裂けて出血しているのだから挿入されても得られるのは快楽ではなく苦痛だけ。
殺生丸は担ぎ上げられたままの脚をどうにか外そうとするが、その動きを封じるように犬夜叉は前のめりになり殺生丸の腰を抱え込む。
「犬夜叉、待っ・・・ゥアァッ!!」
犬夜叉は制止を無視して一気に根元まで殺生丸の中へ埋め込んだ。
指とは違う圧倒的な質量。
「ア・・・ァ・・・」
「・・・やっぱ濡れてんな・・・」
味わうように腰をゆっくりと揺らす犬夜叉。
「ゥ・・・抜、け・・・ッ」
「何言ってんだ。今更。・・・お前は今俺に物言える立場じゃねえだろ。何度言ったら分かんだよ。」
「・・・ッ・・・」
「あいつのを散々咥え込んで腰振ってたんだろーが。・・・とんだ淫乱だぜ。」
冷たい眼と冷淡な口調で己を罵る犬夜叉。
犬夜叉は本気で言っているのだろうか。
犬夜叉の残酷な言動は体以上に殺生丸の心を抉った。
「アァッ・・・アッ・・・アッ・・・!!」
何の配慮もなく始まった急激な律動。
パンッ パンッ パンッ パンッ
肌と肌とぶつかり合う音といやらしい濡れ音が夜の静かな森の中に響く。
まさかこんな古びた納屋の中で大妖怪である殺生丸が縛り上げられ半妖の弟に犯されているなど、誰も思わないだろう。
そもそも二人の発する強大な妖気に慄き何者も近寄ろうとはしない。
誰も助けには来ない。
凄まじい勢いで幾度となく擦り上げられる痛みと内臓を圧迫する苦しさに殺生丸の目尻には生理的な涙が浮かぶが、犬夜叉は気にも留めない。
「ハーッ、ハーッ、ハーッ、・・・ァ・・・ッ、殺生・・・ま・・・ッ」
「ァ・・・ッ・・・」
指が食い込むほど尻を掴み限界まで挿入したまま殺生丸の中で爆ぜる犬夜叉の熱。
こんな状態で受け入れたくない。
殺生丸は腰に力を入れ犬夜叉の腕から逃れようと抗うが、犬夜叉は微動だにしない。
結合したまま腹の中で犬夜叉の熱が広がってゆく。
「ゥ・・・」
「ハーッ、ハァ・・・何逃げようとしてんだよ・・・」
その瞬間に集中しているときの余裕のない掠れた低い声。
いつもならばこのときばかりは色気さえ感じるような犬夜叉の声色も、今は嫌悪しか感じない。
ヌチュッ
「・・・ッ」
「ハァ、ハァ・・・」
全てを放たれ、ようやく解放されたそこから血と香油の混じった精液が流れ落ちる。
犬夜叉は殺生丸に覆い被さったまま一人達成感に満ち、荒い呼吸を整えている。
元々今宵は殺生丸との情事が目的で早々帰ってきたのだ。
とにかくこの体を抱きたくて仕方がなかった。
まさかこんな接吻も愛撫も気遣いもない暴力的な抱き方をすることになるとは思いもしなかったが。
だが、激高の渦に呑まれている今はそんな後悔染みた思いを馳せたりしない。
犬夜叉の頭にあるのは目の前の裏切り者を戒めることだけだ。
「・・・フー・・・ったく、いやらしい体しやがって。」
「っ・・・!?」
犬夜叉は殺生丸の腰に手を掛けると、半ば持ち上げるようにして強引に体を反転させる。
両手は括られたまま膝立ちし四つ這いのような体勢になった殺生丸。
「腰突き出して・・・オトコが欲しくてしょうがねえんだろ。」
「・・・ッ・・・」
「言ってみろよ。どんな風にされんのが好きなんだ?」
「っ・・・」
犬夜叉は殺生丸の髪を引っ張りながら指を突き入れ、乱暴にグリグリと中を掻き回す。
「ァ・・・ゥ・・・ッ・・・」
苦悶する殺生丸の様子に構うことなくグイと尻を割り、既に破裂しそうなほど硬く膨張した自身を宛てがう。
犬夜叉の先端が当たると拒絶するようにヒクつく蕾。
犬夜叉はそこへ再び一気に付け根までを捩じ込んだ。
「アアァッ・・・!!」
凄まじい勢いで貫かれ殺生丸から悲痛な叫びが上がるが、容赦ない律動はすぐに始まる。
獰猛で貪欲。
激しい突き上げ。
コプッ ゴプッ コポッ
執拗に続く行為。
陰茎が出入りする度に圧迫され、殺生丸の腹から溜まった精液の水音がするまでになっても獣のような交わりは一晩中繰り返された。
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