「さあ、この奈落にその身を委ねろ。」
「・・・ッ」

ギチギチと四肢に食い込む触手。
苦痛を伴う屈辱的な体勢に死神鬼は憎悪を滾らせる。
だが、それを向ける相手の顔が見えない。

「まだ十分に濡れているようだな・・・」

足下から聞こえる声。
奈落は首だけを伸ばし、死神鬼の陰部を凝視しているのだ。

ズプッ

「ッ!!」

突如入り込んできた異物に死神鬼の体がビクリと揺れる。
奈落は触手の先端を自らの手へと変化させ、その指を死神鬼の中へ挿入したのだ。

「ククク・・・」
「ハッ・・・っ」

悦い部分を確実に突いてくる奈落の指。
別の触手は死神鬼の性器に巻き付きヌメヌメと上下するように這う。
その先端からは蛇のような舌が伸び、チロチロと亀頭の鈴口を舐めるのだ。
痺れるような快感が背筋を走る。
萎えていたそれはすぐに勃ち上がり、鈴口からは透明の雫がトロトロと流れ始めた。
だが猛烈な熱が押し寄せもうすぐ、というその時。

「アアアッ!!!!」

激烈な痛みが死神鬼を襲う。
柔らかかった舌は硬く細長い棒状へと形を変え、一気に亀頭部分まで貫いたのだ。

「アッ・・・アァ・・・ッ!!」

硬い舌は更に奥へと潜り込んでいく。
まるで針金を尿道に挿し込まれているような感覚。
凄まじい痛みだが触手に全身を雁字搦めに締め上げられ、のたうつことも出来ない。
放たれるはずだった熱も塞き止められ、発狂しそうなほどの苦しみが体中を駆け巡る。

グチュッ

奈落は指を抜くと、上へと首を移動させ死神鬼を見下ろす。

「苦しいか?」

惨忍な笑みを浮かべ、分かりきったことを問う奈落。

「ッ・・・っ・・・フ、誰が・・・」

半妖の化け物ごときにこの死神鬼が屈服してなるものか。

言葉を返すのもやっとの激痛の中で死神鬼は奈落を嘲笑い、鋭く睨みつける。

「ふ・・・強情だな。まあ高慢な男は嫌いではない。だが・・・すぐに気を失われてもつまらない。それに・・・」
「ッ!!!!ウグゥ!!」

突然触手たちが死神鬼の後孔を貫き、口の中にも潜り込んだのだ。

「わしの相手をした中には舌を噛み切って命を絶つ者もいたのでな。そうしておけば防げる上にその触手の粘液には催淫効果もある。せいぜい咥えておくが良い。」
「ゥ・・・ッ」

触手からじわじわと滲み出る微かに甘い粘液。
飲み込まずとも口内の粘膜を通して体内へと浸透してゆく。
だがそれは死神鬼を苦痛から解放する為などではない。
意識を保たせたまま存分に死神鬼を貫き地獄の責め苦を味合わせる為だ。

ヌチュッ グチュッ 

「ウウッ・・・ウ・・・ッ」

後孔で動き始めた触手に、死神鬼からくぐもった呻きが上がる。
ヌメった赤黒いミミズのような触手は狭い入口を押し拡げ前後しながら奥へと挿入を深めていく。
次第に速くなる律動。
真っ直ぐな形状になるほど硬度を増した触手は急激に速度を上げ、一層強く突くと動きを止め夥しい量の精を噴射する。

「ッ!!・・・ッ・・・ンゥ・・・」

腹部に感じる猛烈な熱。
死神鬼はあまりの不快感に吐き気さえ覚えた。
そして実感する。
奈落と結合していても元はそれぞれが一匹の妖怪。
触手となった今は一切の感情を持たぬ欲望の塊――――――


狂った宴は触手たちの欲が満たされるまで終わらない。

体中に巻き付き完全に四肢の自由を奪い、膝を折る形で開脚させ左右の足首と大腿を締め上げている無数の触手。

死神鬼は蛙のような体勢で仰向けに吊るし上げられたまま尻穴から触手が出入りし中を抉り回すのを受け入れるしかないのだ。


ヌチュッ グチュッ ヌチュッ グジュッ

異様な水音。
激しい抜き挿し。
入口も腸も限界まで張り詰め拡がっている。
既に数え切れぬほどの肉棒を受け入れ続けた入口は裂けて出血し、出入りする度にめくれ上がる。

それでも触手は死神鬼のもっと奥へ入り込みたくて仕方がないようだ。
勢いのままグングンと直腸の奥を激しく突き、擦り上げる。
入口からは触手の激しい動きに合わせて粘液が飛び散り溢れ出ている。

「フ・・・ククク・・・悦い具合だぞ。死神鬼・・・」
「ウ・・・ッ・・・ゥ・・・ッ」

満足したように笑う奈落の声ももう死神鬼の耳には届かない。
口内に咥え込まされた触手から染み出す媚薬のような粘液のせいで酩酊する意識。
それなのに失われないどころか浮き彫りになる身体の感覚。
逃れられぬ苦痛に死神鬼は呻き喘ぐ。

触手は最奥を抉るようにかき回し、内臓を突き破らんばかりに突きまくる。
そして粘液や精を噴射し腹に溜め込めせると、一気に出ていく。

ジュルッ

「ウグゥッ!!」

拡がり張り裂けそうな腸壁を容赦なく擦り上げられ、麻痺したように死神鬼の体が跳ねる。
後孔は粘液を滴らせ拡がりきっているが、妖怪の治癒力ゆえ程なく収縮していく。
だが完全に窄まりきる前にすぐにまた待ち侘びた別の触手が入り込む。

ジュブッ

「ウウッ」

肉壁の抵抗をものともせず、一気に奥へと潜り込むのだ。
締め上げられた体が触手の動きに合わせてガクガクと上下するほどの凄まじい突き上げ。
その間にも次から次へと新たな触手が伸びてくる。

触手たちの檻の中で延々と繰り返される凌辱。

精神が崩壊するのが先か。
身体が壊れるのが先か。

触手たちは貪欲に死神鬼の体を貪り続ける。





 

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