劣情    3P




 


 濡れた髪から漂う香りも初めて触れる肌の感触も全てが俺を煽る。
 お前が欲しい。

 ふざけてなんかない。
 覚悟がなきゃこんなコト出来るわけねーだろ。

「待て・・・ッ貴様、こんな事をしてただで済むと思うのか・・・!?」
「・・・・・・」

 思ってないよ。

「・・・犬夜叉・・・よく考えろ。大体こんな事が何になるんだ・・・!」
「・・・うるせーな。だったら懇願しろよ。」
「・・・何を・・・」
「何になるとか・・・そーじゃねーだろ、やめてほしいならやめてほしいと懇願してみろよ!!俺に!!」

 怒鳴った俺に殺生丸は黙った。

「虫唾が走るぜ・・・」
「・・・・・・」
「分かってんだろ・・・俺の本性を・・・」
「・・・・・・」
「お前をずっと追い掛けて・・・お前を慕ってる振りをしてた。」
「・・・犬夜叉・・・」
「・・・お前の前じゃ俺がどんな風に映ってたか知らねえけどな・・・今の俺がホントの俺だよ。」
「・・・・・・」
「・・・どんな思いで今があるかお前は考えた事もねーだろ。」
「・・・・・・」
「何黙ってんだよ。」

 俺は殺生丸の頬を何回も叩いた。
 それでも殺生丸は黙っていた。

 ・・・そういう態度が余計に俺をムカつかせるんだよ。
 こんな時くらい喚き散らせばいいのに。何なんだよ。俺はお前の何?
 この異常な事態を前に冷静でいられるっての?俺の前ではプライドが優先かよ。

 俺は我武者羅に殺生丸の身体に貪り付いた。







「・・・ッ・・・ァ・・・ッ!」

 胸の突起を甘噛みし吸い付くように舐めてみるとイイ声が出た。
 諦めたようなな弱々しい抵抗。
 薬がだいぶ回ったのだろう。手首だって縛られてるんだ。殺生丸ももう無理だと察している。それでも反射的に俺を拒絶し押し退けようと顔を背け、身体に抵抗を示す微々たる力が入っていたが、風呂上りで薄着だったせいもあり下の服を剥ぎ取るのも楽なもんだ。

 同性だからな。どこをどうすればキモチイイのかくらいは知ってる。
 大腿を強引に開かせ脚の間に割って入り、唾液で湿らせた指をその一番奥へと捩じ込んだ。

「ッ・・・!!・・・ッツ・・・!!」

 入り込んだ異物の感触と痛みに身体がビクと麻痺し、身を固くしてそれ以上の侵入を拒もうとする。
 かまわず俺は更に指を増やし抉るように掻き回しながら同時に相手のものも扱いてやった。
 だが極力喘ぎを押し殺して耐え続ける相手の様子に、次第に俺のほうが余裕がなくなってくる。
 身体は無理矢理の快楽に苦しげに震え、苦悶の表情を浮かべている。
 今、お前の全てを俺が支配している。

 ほんとは先にイかせてからするつもりだったが、興奮を煽られた俺はもう自制が効かなかった。
 俺は指を抜き、殺生丸の腰を抱え寄せ浮かせると小さなそこに自身を押し当て、先端を突き入れた。

「ッツ・・・ア・・・ッ!!」

 手首を戒めたベルトの皮がギリリと音を立てる。
 許容を越えて体内にめり込んできた熱い塊に、そこは容赦なく俺を締め上げた。

「・・・っ、力抜けよ・・・ッ」
「・・・ッ・・・」

 指で多少慣らした程度でほとんど濡らしてやってないまま入れたから当然だがキツイ。
 こんなに締め付けられては動かすに動かせない。
 だってこのままでは俺以上に苦痛を感じるのは相手だ。

 けど既に相手はあまりの痛みに俺の声など聞こえていない。
 普通だったら止めてやるんだろうが、俺は我慢出来なかった。
 頭のネジでも飛んで、ある種キレていたのかもしれない。
 殺生丸の腰を抱え込むように更に引き寄せ、俺の全部を一気に相手の中へうずめ込ませた。

「アアアッッ・・・ッ!!!!」

 喉の奥から出るような鋭い声。

 それでも俺は腰の律動を開始した。
 どれだけの痛みなのかは想像も出来ない。
 場合によっては病院送りにさせちまうだろう。

 部屋中に響く自分の荒い息。相手のかすれた悲鳴のような喘ぎと乱れた息遣い。
 頭の中を激痛が支配する中、俺に激しく揺さぶられる殺生丸は呼吸もままならない。

 殺しちまうかもな。

 乱暴に相手の中へ出し入れを繰り返しながらそんな事が過ぎった。
 だが裏腹に頭の芯ではどれだけ理性があっても生理的体の欲求は止められない。
 快楽の絶頂を目指して一層硬く欲の猛りが膨張していく。
 俺の先走りでも漏れているのか先程より挿入もしやすい。
 俺は欲情のままに腰を動かし己を追い上げた。

 もう相手のことも考えられない。見えてない。
 猛烈な快感が全身を突き抜ける。
 限界まで深く貫いたまま、殺生丸の中で俺は弾けた。
 相手の体内で自身はビクビクと麻痺し愉悦の精を全て出し切った。



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